函と球体//眼-命のスイッチ

解読! アルキメデス写本

解読! アルキメデス写本

文字と数学、書物と歴史、形と像、見えないことと見えること、読むこと解ること通じること---アルキメデスの知恵の環を解く知恵の鍵。
この本、書物とは、そして知とは、という問いを紀元前から放物線を描いて投げてくる、そういう趣向なんでしょうか。きれいな放物線とはいえない数奇な軌跡を描き現在に辿り着いた書物は凄いことになっておりました...
はえてして誤解や迫害の元ともなる危険なものであることは歴史が知っている。或いは、理解されそうもないことを知った人は何をどのように誰に伝え得るのだろう。
大文字しか使わず、単語を区切らず、直線 正方形 長方形 円などの語を用いることなく記されたアルキメデスの文は
ユエニカッパシータガシータイプシロンニタイスルヨウニシータイプシロンイプシロンガンマニタイスルユエニカッパデルタジョウガカッパシータデルタニヨッテニタイスルヨウニアルファガンマジョウガアルファイプシロン...
『方法』の宛先はエラトステネス、天文学者にして数学者でありアレクサンドリア図書館館長でもある友人に宛てた暗号にも似た文字の羅列は必然的にアレクサンドリア図書館へ、やがて災禍を免れコンスタンチノープルに渡り羊皮紙に書きかえられ、さらに渡った修道院

眼の誕生――カンブリア紀大進化の謎を解く

眼の誕生――カンブリア紀大進化の謎を解く

カンブリア紀の生命の爆発は何に由来するのか...生物の身体を彩る色彩-回折格子、見られるもの-見るもの、光は視界を開き世界は姿を現し、生命は目を醒ました。

『眼の誕生』のタイトルは決定的でもあるが、演繹的にこの説に辿りついたというのが凄い。
三葉虫の複眼、カメラ・オブスキュラと同じ仕組みのオウムガイの窩眼、ホタテガイの凸面鏡を備えた反射眼、巻貝のカメラ眼、精巧な人類の眼、あらゆる光学装置の宝庫のような生命の多様な眼。そして、これら研究を可能にした光学解析装置の眼。