2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

光を発する絵画 ピサネロ

ロンドンNATIONAL GALLERYを訪れれば、必ず私の足を止めずにはいない小さな板絵《聖エウスタキスの見た幻影》を描いた人の名はピサネロPisanello(1395頃〜1455?)ピサネロの名は父親の生まれ故郷ピサに由来する。彼はジェンティーレ・ダ・ファブリアーノの弟…

ファンタジー娘の美本たち

文庫 新版 指輪物語 全9巻セット作者: J.R.R.トールキン,瀬田貞二,田中明子出版社/メーカー: 評論社発売日: 1997/02/01メディア: 文庫 クリック: 24回この商品を含むブログ (69件) を見るThe Lord of the Rings: The Fellowship of the Ring作者: J. R. R. T…

『くまのパディントン』 マイケル・ボンド

福音館書店の本。ちょうど良い大きさ、さっぱりとした装丁。ベージュの背表紙が、いい。くまのパディントン (世界傑作童話シリーズ)作者: マイケル・ボンド,ペギー・フォートナム,松岡享子出版社/メーカー: 福音館書店発売日: 1967/10/01メディア: 単行本購…

ジョルジュ・バタイユ 『聖なる神 三部作』

既に読了、感想不能。 「第一部 マダム・エドワルダ」「第二部 わが母」「第三部 シャルロット・ダンジェヴィル」から成る。聖なる神―三部作 (ジョルジュ・バタイユ著作集)作者: ジョルジュバタイユ,Georges Bataille,生田耕作出版社/メーカー: 二見書房発売…

魂を呼ぶ装置 百人一首

装置と呼ぶのは大げさで、仕掛けとでもいったほうが良い。 『百人一首』に関しては今まで多くの人が論じてきたようだが、困惑させる点は、その一首の選びが、必ずしも良い歌が選ばれているわけではない、というところか。 例えば、菅家、つまり菅原道真、天…

天晴 冷泉家

この展覧会には、行くべきだった。 「冷泉家王朝の歌守展」芸術新潮 2009年 11月号 [雑誌]出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/10/24メディア: 雑誌 クリック: 3回この商品を含むブログ (8件) を見る最近とかく腰が重すぎるようだ。 対照的にして興味深い親…

1年 365日5時間48分46秒

はじめて暦をつくった偉大な民族は チグリスとユーフラテスの2つの川の流域に起こったシュメル人社会だといわれている。1年を12ヶ月、1ヶ月を30日に分けていたことが、バビロニアの文献にのこっている。もちろん1ヶ月30日では暦はたちまちずれるはずだが、修…

長らく触っていないもの

その名はミシン。 最後に縫ったものは? 息子が幼稚園で使う袋物。 娘の小学校入学式のためのワンピース。 ボレロのツーピース。 10年前。 そのミシンは物置に仕舞われたまま。祖父は小さな洋裁店の看板を掲げていた。 祖父のミシン、黒く塗られた鉄の塊、…

dip 『 FUN MACHINE』

次にめくったカードはこれFun Machineアーティスト: dip出版社/メーカー: リトルモア発売日: 2004/11/03メディア: CD クリック: 10回この商品を含むブログ (30件) を見るもうひとつの名曲「it's too late」がおめあて。 2004年の作品。『UNDERWATER』の翌年…

時を測る装置

本のなかの「きみ」は、パリから列車に乗り、ローマへと移動しようとしている。どうやら「きみ」は、気が進まないようだ、その旅行が。愛する人に会うために、移動しようとしている。パリに妻を置いて。 列車は揺れながら進むが、その進みは遅い。数時間後、…

新・三銃士 クエイ カワセミ

NHK朝7:45 新・三銃士なう 人形劇といえば、「新・八犬伝」は懐かしい。 人形は時に、人間を超えた表現を遂げることがある。 二十年以上前に衝撃を受けた、クエイ・ブラザーズの「ストリート・オヴ・クロコダイル」。 倉橋由美子の初期短編「囚人」あたり…

ダ・ヴィンチに寄せて

「モナリザ」、そんなにいいかしら? そう思っていた。 1枚のカルトンに魅了された。 近くの図書館で絵本や画集を借りる時、面白そうな本を見つけた。 「Leonard's cook book」そんな題名だったろうか。 英語だが、挿絵がふんだんに入っている。 ぱらぱらと…

ダ・ヴィンチの誕生日

今日はレオナルド・ダ・ヴィンチの誕生日。 1452年の4月15日に、フィレンツェ郊外のヴィンチ村で「愛から生まれた子」として生まれた。私生児として生まれたのだ。イギリスに住み始めて間もなく、NATIONAL GALLERYを訪れた。 名画の数々、ファン・アイクの「…

『三島由紀夫・昭和の迷宮』 出口裕弘

三島由紀夫・昭和の迷宮作者: 出口裕弘出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2002/10メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見る愛情は、多くのことを隠す。三島由紀夫を語るには薄すぎるほどの本。書いておくべき、ほんの少しのこと。 例えば、『葉隠』…

春!春!

というか、昨日が、春!だった。 どうする?図書館は行ったし、お天気いいし、どこに行く? イタリア文化会館にヴィスコンティの『イノセント』を観に行こうと思っていたのに消えてしまった。いったい、どうなったというのかしら。 神田でも行って、古本屋め…

三島由紀夫 『仮面の告白』

読了。 前半、後半の展開が、読む者を困惑させる。 前半が真実ならば、後半の展開は不可能なはず。 園子に、いったい何が課せられているのか? そこで、おとぎ話として読んでみる。 主人公「私」が物語前半で告白するのは、呪われた自己、「美女と野獣」の野…

今日はとてもよい日和だから

あなたは背を丸め、目を閉じて、其処にいる。 先程までは梅林の向こうまで、見渡すようにして、風を感じていた。 木々の先端からは淡い緑の葉が噴出してきて、陽光はあくまで淡く、あたたかく、あたりを照らしているから。 今度は背をあちらに向けて、耳はこ…

Alex Rider ANTHONY HOROWITZ

英国、少年スパイもの、男子必携のアレックス・ライダー・シリーズStormbreaker (Alex Rider)作者: Anthony Horowitz出版社/メーカー: Puffin Books発売日: 2006/02/16メディア: ペーパーバック クリック: 14回この商品を含むブログ (9件) を見るこちらは原…

ROCK

昔、これが好きだった。Flowers of Romanceアーティスト: Public Image Ltd,Pil出版社/メーカー: Warner Bros / Ada発売日: 1990/10/25メディア: CD購入: 2人 クリック: 33回この商品を含むブログ (45件) を見る今現在、これを聴きたいか?といえば、聴いて…

伊藤 遊氏の本

英国から帰国した頃、子供に日本の児童文学で最近のものを、と思い選択したのが伊藤遊氏の『鬼の橋』鬼の橋 (福音館創作童話シリーズ)作者: 伊藤遊,太田大八出版社/メーカー: 福音館書店発売日: 1998/10/15メディア: 単行本購入: 38人 クリック: 697回この商…

書くこととは

倉橋由美子のエッセイ集『わたしのなかのかれへ 下』を入手して読む。上巻は『聖少女』まで、この下巻は1966年から1969年までの刊行物に掲載された文章。 上巻とは書き味が一転する。 1969年に書かれた「小説は現代芸術たりえるか」(朝日新聞9/9)の文が泣…

桜!桜!桜!

嘘のように大きな写真。(写真は苦手) 編集することもできない。(タイトルを入れずに送信したのが悪いのだが、全てエイプリルフールの悪意としておこう) 昨日、娘とお花見へ 九段下から武道館、北の丸公園で一服し、近代美術館工芸館に寄って千鳥が淵を歩…