2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

宝物 『倉橋由美子全作品』

黒の装丁 紅い函 坂東壮一氏の挿画 全8巻 といえば 倉橋由美子全作品、これが私の宝物 殆ど真新しい、ページを繰られたこともなく、35年間の永きにわたって息をひそめていた8冊の本。1巻、2巻、3巻の帯には3賢者の言葉が刷り込まれている。 1巻 平…

『偏愛文学館』倉橋由美子

買うべきか、少し迷って、手っ取り早く図書館で借りた本書。偏愛文学館??作者: 倉橋由美子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/07/08メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 6回この商品を含むブログ (31件) を見るこのような、さらりと書かれたものにも思い…

『クレーヴの奥方』 ラファイエット夫人

私がまだ学生だった頃、もう20年以上むかしのこと。 確か三百人劇場だったでしょうか?映画『クレーヴの奥方』を見たのは。 ジャン・コクトーの特集が組まれていたので、私はひとり出かけた。あの頃はまだ名画座がかろうじて残っていた。 早稲田のアクト・…

大きな絵本

大きい絵本は、魅力も大きい。 『ぞうのババール』と『ねこのオーランドー』ねこのオーランドー農場をかう作者: キャスリーン・ヘイル,脇明子出版社/メーカー: 童話館出版発売日: 1996/11メディア: 大型本この商品を含むブログ (2件) を見るねこのオーランド…

英語の絵本

お気に入りの絵本は数限りなく繰り返し読まれる。 もうすぐ「中2病」の息子が小さかった頃、圧倒的人気の英語の絵本があった。 1、2を争うのはこの2冊だったろうか。Owl Babies作者: Martin Waddell,Patrick Benson出版社/メーカー: Candlewick発売日: 2…

巽 孝之「E・A・ポウを読む」

土曜日は、いつものように夫と図書館に行く。 イタリア語、映画、言語、身体、と話題がうつり、巽孝之氏の名がでる。 意味もなく避けてきた氏の書物を読んでみる気になり、多くはない選択肢からこれを借りて読んでみた。E・A・ポウを読む (岩波セミナーブッ…

その微笑のすごさ! 『聖少女』 倉橋由美子

物語は終盤にさしかかり、どうやら絶望的な結末をむかえるしかなさそうだ。と予感する読者に凶器を光らせる。 「その微笑のすごさ!」 読む者はほとんど凍りつく。 そのくせ、こう続ける。 「ただあたりまえの顔でにっこりとぼくを迎えただけ」 しかしそれが…

永遠の名作「もりのなか」

もちろん、私が子供のころにも本棚にあった「もりのなか」もりのなか (世界傑作絵本シリーズ)作者: マリー・ホール・エッツ,まさきるりこ出版社/メーカー: 福音館書店発売日: 1963/12/20メディア: ハードカバー購入: 8人 クリック: 28回この商品を含むブログ…

『暗い旅』の仕掛け 倉橋由美子

倉橋由美子の小説は全て連作として考えなければいけない。 「倉橋由美子全作品」は、倉橋由美子作品を読み解く(楽しむ)ためのヒント集、という構造になっているようです。 『暗い旅』は、「あなた」が「かれ」を探す旅に出る、という小説です。そのまま読…

巫女のいる物語 倉橋由美子

新潮社の「倉橋由美子全作品」を図書館から借りて順に読んでいる。この「全作品」は、他人の手になる「あとがき」の代わりに、作家本人による「作品ノート」で締めくくられている。倉橋由美子全作品〈1〉 (1975年)雑人撲滅週間 パルタイ 貝のなか 婚約 密告 …

息子の好きなきいろい本「すんだことはすんだこと」ワンダ・ガアグ

抱腹絶倒、ともいうべき子供の本は、「100まんびきのねこ」で有名なワアダ・ガアグの「すんだことはすんだこと」。すんだことは すんだこと (世界傑作童話シリーズ)作者: ワンダガアグ,佐々木マキ出版社/メーカー: 福音館書店発売日: 1991/05/01メディア: 単…

嗤っていない倉橋由美子「暗い旅」

この小説を読むのは初めてなのだろうか?どうも、判然としない。図書館から借りた新潮社「倉橋由美子全作品」の黒いカバーは作品世界に似合っている。倉橋由美子全作品〈3〉 (1975年)合成美女 暗い旅 輪廻 真夜中の太陽 100メートル 創作ノート3作者: 倉橋由…

小説よりも奇なり 三島由紀夫

金閣寺 (新潮文庫)作者: 三島由紀夫出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2003/05メディア: 文庫購入: 16人 クリック: 291回この商品を含むブログ (393件) を見る久しぶりに「金閣寺」を読んだ。三島由紀夫とは何者だったのか?三島由紀夫―ある評伝作者: ジョンネ…

あるべきやうわ「暮らしの手帖」

「暮らしの手帖」が私の中に棲んでいる。価値判断の基準となっている。 我が家の暮らしの中に「暮らしの手帖」はあった。父が好きで、家族のために定期購読していたものだと思うが、第1の読者は姉だった。読書好きで常に何かを読んでいる姉ではあったが、「…

昔話なら赤羽末吉の挿絵がいい

子どもは昔話も好きです。 赤羽末吉の挿絵は色遣いがきれいで、筆遣いがあたたかく、顔の表現にユーモアが感じられるので、子どもも安心して昔話の世界に入ることができます。 「ももたろう」や「スーホの白い馬」が有名ですが、「だいくとおにろく」や「へ…

息子の好きなきいろい本「ひとまねこざる」

息子が好きな本はなぜか黄色い本が多い。 その代表格がこのシリーズ、「ひとまねこざる」。さるのジョージのシリーズです。ひとまねこざるときいろいぼうし (岩波の子どもの本)作者: H.A.レイ,光吉夏弥出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1998/02/16メディア:…

美しい挿絵、不思議なお話「オズの魔法使い」

不思議なお話が、美しい絵とともに詰まっている入れ物、それが本。 福音館書店の古典童話シリーズは、とっても美しい。バウム作、デンスロウ画の「オズの魔法使い」オズの魔法使い (福音館古典童話シリーズ 28)作者: ライマン・フランク・ボーム,ウィリアム・…