2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『武蔵野夫人』大岡昇平

読了後、なかなか印象が去らないので記しておくことに ドルジェル伯爵夫人のような心の動きは時代おくれであろうか ラディゲ 題辞にも記された「時代おくれ」というものは、いつの時代からも「時代おくれ」と称されて疎ましいものとでもされてきたのでしょう…

邂逅

あるひあるひ おるすばんを しておりますと 窓の外の橋の上に 鹿が立っておりました 終 前後の記憶が全くなく、鹿(たぶんカモシカ)がそこに居て、それを見た瞬間のおそれ(恐れ、怖れ、畏れ)の感覚だけを憶えている。 それはこのピサネロの作品に酷似して 野…

どんな花

時々気付いてはいたのですが、蔓性植物が好きです。 昨日も買い物に行く途中、思わず立ち止まって見入ってしまったのは蔓性の小さな紫の花でした。娘と一緒だったので「可愛いね」と口にすることができましたが 蔓性植物の螺旋に巻いた蔓の先端が風に揺れ、…

ずっとここにいる

って、声高に叫ばなくても良いことです 時には「本日休業」「夏季休業」「無期限休業」などと看板を掲げても良いのでは?などと思うことも 「それは無理」という少女の声 すると不意に、時計にすぎないのでは?という思い付きが。好みの表現を用いれば、「時…

夏の雨

雨音が耳に心地よい朝です。 今年の梅雨は雨量が十分ではなかったのでしょう。紫陽花は青くならずに緑になってしまいました。梅雨入り前にほの白い花を咲かせ、雨が降り注ぐのを待っていたのでしたが しかし、かといって緑の紫陽花はそれをかなしむでもなく…

太陽にふさわしい場所

本日の太陽は眩しすぎるようですので、ボイルのカーテンで過剰な光を遮っております。 このような太陽のしたに、それでもなお出て行きたくさせるには、それにふさわしい場所でなければならないように思います。 例えばシチリアの、ジアルディーノ・ナクソス…

鏡の国の住民たち

図書館で借りた筑摩世界文学大系の『ボルヘス ナボコフ』の付録で清水徹氏の「鏡の国の住民たち--ナボコフとボルヘス」が気に入ったので少々抜粋を ナボコフとボルヘスはともに鏡の国の住民である。 ナボコフの住む鏡の国の特徴は、自同律の崩壊した世界とい…

はじめての大岡昇平

図書館に行ったら行ったでまたあれこれ借りてきてしまう。大好きな清水某氏のすすめに従い初めての大岡昇平。いきなり自伝に手を出すのは気が引けて、文庫がいいから『武蔵野夫人』を。 この人の日本語結構好きかも。それよりも、核心に早く近付きたいのに平…

気狂いピエロ

久しぶりにDVDで観賞。これ1本撮れたら十分ではないでしょうか。愛し尽くしたという意味で。気狂いピエロ [DVD]出版社/メーカー: アミューズ・ビデオ発売日: 1999/05/27メディア: DVDこの商品を含むブログ (3件) を見る純粋にロマンチックな愛する映画 監督…

どんな羽?

Modern Guiltアーティスト: Beck出版社/メーカー: Iliad / Hostess発売日: 2008/07/08メディア: CD購入: 9人 クリック: 61回この商品を含むブログ (134件) を見る結局映画は観ずにほんとうに眠りのなかへ・・ すっきり起きられたから夏バテではないはず

運ばれ中

『読書のユートピア』清水徹著(1977) 読書の開示するユートピア=どこにもない空間、そこに交錯する時間と夢とエロス。大岡昇平、吉田健一等の作品を通して、その構造を緻密に読み、文学的時間の特性を尖鋭な方法意識で問う 文学における<時間>とは何か 帯…

むかしむかしあるところで

あるものは芝刈りに あるものは炎天下の活動に あるものはまだ夢の中 あるものは例えば時をきりとれるならば と夢想を そんな時は映画を観れば良い 殆ど眠りに等しい時を とりだすように

水星と火星の結び

http://www.heliocompass.com/暑いのふつうという気分に 娘とショッピング。夏のネックレスを衝動買い

まるで嘘のような暑さ パスモも本も持たず飛び出してしまう。すぐ近くなのだからいいけど 夏休みは逆に忙しいものなので、こちらでの活動は太陽の相貌だとか虫との出会いだとか、その辺りで終始しそうなお粗末な予感が・・ シオカラトンボ 青の色良し、質感…

ほんとうのような

いよいよ蝉も鳴きはじめ まるでほんとうの夏のよう 漸く西に傾きはじめた太陽は眩しすぎて 西を朱く染めた あたたかな夕間暮れ 木立の奥をしばし見惚れれば 最後の木漏れ日は紅く瞬いた

灯 あるいは しみ

上手な消し方をしりませんか?

迷路にも似たゼンマイ仕掛けを キリキリと巻いて 見えぬように そっと そしてまた ゆっくりと緩むとき 不思議な扉を 見つけても 飛び出して行かぬように またキリキリと巻いて

まるで絵画のような

まるで絵画のような森の朝 微動さえしない そよがず動かず コントラストは 光の 表と 裏の 色 美の姿

まじりあう夢か現か夏の空

水星と土星の結び

http://www.heliocompass.com/

バラバラとばらばらに落ちてきたみたい。拾いきれるかな。 夢を思い出すのがむつかしいように ええとまず、「いってきますのないただいま」みたいな 冒険は終わった。そして得たものは、たぶん教訓・・苦手としていた言葉 次に「修正」 たったひとつの愛・・…

遊戯

このコトバ 魔法の解ける 呪文なら もりのなか いつのひにか またあそぼ

夏かも

いよいよ夏かも・・ 今日は既に夏休みの娘とお出掛け 炎天下をゆく 結果、素敵な夏の始まりを告げるような空の下、娘と楽しい道行・・ 娘「雀ってシルバニアに似てるね」 母「シルバニア・ファミリー?似てる!黒目がちの目、つぶらな瞳」アオスジアゲハにも…

水星と天王星の開き

http://www.heliocompass.com/ 『城の中の城』という本もありましたが 函の中の函 そういうこともあるのかな・・なんて

読書のユートピア

『読書のユートピア』(清水徹 著)を読み始めました。届いてすぐ、少しがっかりしてしまって書棚にしまってあったのですが、読み始めてみるとそこは清水氏のこと、とても楽しみな感じになってきました。 ただしどのような方向に論が進むのかさっぱりわからな…

トンボ

夏の使者 シオカラトンボ 前をゆく

満天の星

空が小さい。が、きらりと光る一粒の星が瞬いている。金星だろうか・・ いつのことだったろう?庭のデッキチェアに寝転び、星を眺めたのは・・星は瞬いていた。 数限りない星が どれくらいの時間、空を眺めたのだろう そうするうちに、星と星の間にもっと、…

『カポディモンテ美術館展』まとめ

ヴァザーリのこの絵画! ジョルジョ・ヴァザーリ《キリストの復活》1545年 この、楽しげに駆け出すキリストの姿を見れば、ヴァザーリのいう神の姿がいかに天真爛漫なものであったかがわかるというもので・・ 『ルネサンス画人伝』を著したヴァザーリは、それ…

『カポディモンテ美術館展』その3

マンテーニャ《ルドヴィゴ(?)・ゴンザーガの肖像》1470頃小さな、横顔の肖像画 ゴンザーガ家、エステ家、モンテフェルトロ家などと聞くと血がざわざわと騒ぐ私ですが、どれも手付かずであまり良くわからないのは残念なこと。それらは愛するピサネロやピエロ…

『カポディモンテ美術館展』その2

グイド・レーニ《アタランテとヒッポメネス》1622年頃 古代神話の乙女アタランテは、その美貌と俊足、そして男嫌いで有名であった。求婚者は彼女を駆け比べで負かさねばならず、それができないと彼女に殺された。しかしヒッポメネスは彼女に抜かされそうにな…