ずっとここにいる

って、声高に叫ばなくても良いことです
時には「本日休業」「夏季休業」「無期限休業」などと看板を掲げても良いのでは?などと思うことも


「それは無理」という少女の声


すると不意に、時計にすぎないのでは?という思い付きが。好みの表現を用いれば、「時を測る装置」とか「時を告げる装置」と呼んだって良いわけです。ただ単に、時を告げているだけではないか、という

この少女(時計)は時に即興で時を告げるので、調子が狂っていたり素描、あるいは粗彫りのまま告げることもあります。ぎょっとさせてしまうこともあるかもしれませんが、決して悪くとらないでください。可哀想に、面白いとでも思っているのですからね。

たとえば

「勉君には男だって好きになるような変な魅力があるんですよ。だけど、あれは結局妖精みたいなもので、実際には決してつかまらないんです」
彼がスタンダールの主人公を論じた外国の論文をかりた「妖精」という字について、富子は何度も聞き返さなければならなかったが、この字は彼女の気に入った。彼女が勉に感じていた魅力の性質にかなりぴったりしていたからである。と同時にそういうことをいう秋山を少し見直す気になった。彼はとにかく洒落たことをいったのである。(『武蔵野夫人』大岡昇平

面白いですか?こんなのを面白いと思う少女(時計)ですけれど
面白い方にはつい話しかけてしまう傾向があります。