2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

アルハンブラ 夜

アルハンブラ 闇のなかをいく 白い柱の華奢なこと 水の音 大人しいライオン 漆喰の天井 陰影を 奥行きをなぞる どれくらいの時が流れたのか... 去るべき時刻 箱庭からの

紀貫之(ら) 仮名に恋した男たち

漢字仮名混じりの日本語をわたしたちはあたかも当たり前のように日々使っている。使いこなしているかどうかはともかく。 ここしばらく万葉集を写しているが、漢字の羅列による歌の表記はなかなか凄まじいものがありはしないだろうか。万葉集の編纂には大伴家…

萬葉集

過近江荒都時柿本朝臣人麻呂作歌 玉手次 畝火之山乃 橿原乃 日知之御世従 阿礼座師 神之盡 樛木乃 弥継嗣尓 天下 所知食之乎 天尓満 倭乎置而 青丹吉 平山乎超 何方 御念食可 天離 夷者雖有 石走 淡海國乃 樂浪乃 大津宮尓 天下 所知食兼 天皇之 神之御言能 …

萬葉集

天皇幸干吉野宮時御製歌 淑人乃 良跡吉見而 好常言師 芳野吉見与 良人四来三 よきひとの よしとよくみて よしといひし よしのよくみよ よきひとよくみ (巻第一 二七) 天武天皇のどこかお茶目な風情の吉野宮を褒める歌...というかやはり強引。 紀曰八年己卯…

『ニューヨークの啓示』 フィリップ・ソレルス

紀伊国屋書店新宿本店の「在庫僅少本コーナー」で見つけた本書。みすず書房の棚には濃い紫色の出版社在庫僅少本の帯が巻かれている。1981年に書かれ1985年に翻訳出版、みすず、精興社の組み合わせが嬉しい。あるページの端が複雑に折れ曲がっている、乱丁と…

萬葉集

天皇御製歌 三吉野之 耳我嶺尓 時無曽 雪者落家留 間無曽 雨者零計類 其雪乃 時無如 其雨乃 間無如 隈毛不落 念乍叙来 其山道乎 みよしのの みみがのみねに ときなくそ ゆきはふりける まなくそ あめはふりける そのゆきの ときなきがごと そのあめの まなき…

毛糸の記憶

三女として生まれたので、ものごころついた時にはいつもおさがりのものを着ていた。母は器用で、縫い物も編み物も上手だった。布団まで自分で仕立てていたものだった。仕立てあがった生地に綿を詰める(というよりは包むとか引っ繰り返すという感じ)ところ…

萬葉集

明日香清御原宮天皇代 天渟中原瀛真人 諡曰天武天皇 十市皇女参赴於伊勢神宮時見波多横山巌吹茨刀自作歌 河上乃 湯津盤村二 草武佐受 常丹毛がも名 常処女煮手 かわのへの ゆついはむらに くさむさず つねにもがもな とこをとめにて (巻第一 雑歌 二二) 吹…

ひとこと

今回の美術館について、ひとつ悪態など。 例えば、国立美術展ビルヂングなどの命名でよいのでは。 美術館と名乗るには、常設の作品を持ち、研究機関があり、展示する<場>そのものの必然性があるべき、と思う。もうひとつ、作品の所蔵はぜひ明記してほしい…

溶ける魚

国立新美術館で開催されているシュルレアリスム展。 http://www.sur2011.jp/ルネ・マグリットの絵画は、これまでにも何度も観たはずで、その度に強い印象を受けながらずっとそのままにしてきたのは、その「夢」のイメージがあまりにも真を衝いているので、真…

萬葉集

天皇遊猟蒲生野時額田王作歌 茜草指 武良前野逝 標野行 野守者不見哉 君之袖布流 あかねさす むらさきのゆき しめのゆき のもりはみずや きみがそでふる (巻第一 雑歌 二〇) 皇太子答御歌 明日香宮御宇天皇 諡曰天武天皇 紫草能 尓保敝類妹乎 尓苦久有者 …

萬葉集

額田王下近江國時作歌井戸王即和歌 味酒 三輪乃山 青丹吉 奈良能山乃 山際 伊隠萬代 道隈 伊積萬代尓 委曲毛 見管行武雄 数々毛 見放武八萬雄 情無 雲乃 隠障倍之也 うまさけ みわのやま あをによし ならのやまの やまのまに いかくるまで みちのくま いつも…

萬葉集

近江大津宮御宇天皇代 天命開別天皇 諡曰天智天皇 天皇詔内大臣藤原朝臣競憐春山萬花之艶秋山千葉之彩時 額田王以歌判之歌 冬木成 春去来者 不宣有之 鳥毛来鳴奴 不開有之 花毛佐家ど 山乎茂 入而毛不取 草深 執手母不見 秋山乃 木葉乎見而者 黄葉乎婆 取而…

春立つ

朝から快晴、日中は14度にもなるらしいとの天気予報。暦以上の日和。窓の外には年末から咲き始めた白梅が白く輝いている。純白の冷たい白ではなく甘さをたたえたあたたかい白。 引越しをするたびに窓の外になにかしら自然、というか樹木がないと落ち着かない…

節分 貴船の物語

節分です。京都の貴船神社にまつわる物語、お伽草子『貴船の物語』が紹介されていました。扇に描かれた姫の美しさに恋焦がれ...その姫は聞くところによると鬼の娘... 時を越えて恋の成就の物語。http://kibune.jp/jinja/story/ このような物語があったことを…

萬葉集

中大兄 近江宮御宇天皇 三山歌 高山波 雲根火雄男志等 耳梨與 相諍競伎 神代従 如此尓有良之 古昔母 然尓有許曽 虚蝉毛 嬬乎 相挌良思吉 かぐやまは うねびををしと みみなしと あひあらそひき かみよより かくにあるらし いにしへも しかにあれこそ うつせ…