VICENZA 薔薇の方位/幾何学の庭へ

北川建次新作展へ。

http://moriokashoten.com/?pid=56064013
茅場町亀島川沿い霊岸橋近くの古い戦前のビル三階とある。橋のところで右折し前方に目を凝らしたのだが左側にまさに古めかしい戦前然とした建築物がある。入り口を入り懐かしい階段を、というよりもとより戦前を知らないこどもではある。硝子の嵌った扉の一室に森岡書店の表示。実験室の扉を開けるように。
コラージュ作品と箱形に仕立てられた立体作品が壁に机に整然と並ぶ。昭和初期の建築が醸す空間と作品群が完全に調和し、硬質な作品世界ははじめてなのに懐かしい。ざらりとした質感、ヒッポグリフの翼(アングルの作品からの引用)が配されたコラージュ作品に暫し魅入る。

乗換駅を地上に出て、お堀沿いの桜の蕾も膨らみをみせる北の丸公園に立ち寄りたい。山茱萸(サンシュユ)夜叉五倍子(ヤシャブシ)土佐水木(トサミズキ)...見事な満天星(ドウダンツツジ)の刈り込みに無数の星がぶら下がるのは桜の終ったころだろうか。