VICENZA 薔薇の方位/幾何学の庭へ

北川建次新作展へ。 http://moriokashoten.com/?pid=56064013 茅場町亀島川沿い霊岸橋近くの古い戦前のビル三階とある。橋のところで右折し前方に目を凝らしたのだが左側にまさに古めかしい戦前然とした建築物がある。入り口を入り懐かしい階段を、というよ…

函と球体//眼-命のスイッチ

解読! アルキメデス写本作者: ウィリアム・ノエル,リヴィエル・ネッツ,吉田晋治出版社/メーカー: 光文社発売日: 2008/05/23メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 64回この商品を含むブログ (20件) を見る文字と数学、書物と歴史、形と像、見えないことと見え…

DRUMMING//蝸牛の恍惚

稀有な、音楽的体験。 冬の夜は早い。夜道をバスは渋谷を抜けて東京オペラ・シティへ、クロークにコートを預け、はやばやと会場いり。3階サイドのごく前方の、ステージを真上から見下ろす席。週も開けて間もない、仕事を終えて駆けつける人が多いのだろうか…

時を揺らす木馬/耳を濡らす潮騒/震へる光の振り子/砂を数える耳鳴り

さわひらき Whirl 神奈川県民ホールギャラリー

迷はぬ月に 連れてゆかん

前日の雨も朝には晴れ渡り、新宿御苑を通り抜けて能楽堂に至るコース。 新宿門から入る。菊花壇が設えられている為か午前中から人出は多いようだ。薔薇はまだ咲いているだろうか。芝生でスケッチをするグループ、散歩する老夫婦、どんぐりを拾う幼稚園児。遠…

秋//薔薇花壇

秋晴れ、庭園に行かなければ... 新宿御苑。 青い空に飛行機が白い斜線を引いていく。芝生はふかふか...敷物も持参すればよかった。布のサブバッグを敷いて本日の一冊ピーター・アトキンス『元素の王国』は元素表をサバンナ、谷、渓谷、平原、丘陵、山脈を成…

理研 RIBF

理研(理化学研究所)の仁科加速器研究センターRIBF(RIビームファクトリー)の見学会に行ってきた。鉄塊でできた厚い扉。液体ヘリウムの超低音を利用した超伝導の技術により実現した装置。原子核を光速の70%の速度まで回転させぶつけることにより未知の原子核…

根津美術館 《平家物語画帖》

お次は根津美術館に移動して《平家物語画帖》を鑑賞。 http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/index.html 扇形にひとつの場面を閉じ込めて、右側にうつくしい筆文字による詞書。金地の上に交互に配された様は江戸時代の作ということだが金色に海の藍色、…

能 『淡路』

二箇月ぶりの能楽堂。四角く空を空けた中庭に咲く紫の萩、すすきは金色の穂を揺らし、合歓の木も天高く。 狂言は『昆布柿』。 幕間は展示室の《加賀の能楽名品展》を鑑賞。装束の色合いが目に優しい。色数を抑えてある所為か鬱金の地色もあたたかく松の緑も…

パスカル・キニャール 『アルブキウス』

書く人の情熱は、おあつらえ向きの、あるいは残酷なフレーズが唇にのぼってきたとき、それがいかに不都合な事態を招こうと、どんなに有害なものになる可能性があったとしても、あるいは、それをテクストに挿入すると、ひどく唐突に見えたにしても、それを省…

パスカル・キニャール

この短い生涯で気づいたことは、死が過去に入り込むと、馬は前に進まなくなるということだ。だから畳んで、ハンカチーフ箱にしまったのだ。辺境の館作者: パスカルキニャール,Pascal Quignard,高橋啓出版社/メーカー: 青土社発売日: 1999/05/01メディア: 単…

PARIS 三日目

パリも最終日。チェックアウトしたら荷物はフロントで預かってもらい、締めくくりはルーブル美術館。 早朝は灰色の雲で地面も濡れていたのが出掛けるころには青空から陽射しが射している。川に突き当たってセーヌ沿いに歩き橋を渡り、ルーブル宮とガラスのピ…

PARIS 二日目

ゆっくりめに起きてPAULで朝食。本場らしい雰囲気、パリっぽい女の子がサービスしてくれる。クロワッサンにエスプレッソ。娘はオレンジ・ジュース、ショコラ・クロワッサンにミルクティー。 川まで突き当たってセーヌ沿いの道をオルセー美術館まで歩いていく…

PARIS 一日目

はやばやと起き出して ユーロスターで パリへ 北駅から 地下鉄で移動 トランクを引いて ホテルはルーブルとオルセーに徒歩で移動できる立地、セーヌ左岸のサンジェルマンデプレ界隈。 ひと休みして姉の働くお店に顔を出しに行こうとホテルを出てずんずん歩い…

LONDON四日目午後の部

三時半を回り、そろそろ行きましょうか?Nightingale Lane、Petersham Hotelに行く為だけの小さな坂道を降りて。レストランはさほど混みあっていない。川の見える窓側の席。陽射しがつよくなかなかあたたかだが涼しいほど冷房するのをこの国の人は好まない。…

LONDON四日目午前の部

ロンドンで過ごす最後の日。 夜にROHのリンベリー・スタジオでダンスを観る予定、その前にピーターシャム・ホテルでアフタヌーン・ティする予定、その前の時間はどうする?ロンドンには出ずに近場で、Kew Gardensに行ってもいいけれど。キングストンに行きた…

LONDON三日目午後の部

お昼は簡単に済ませて次はクィーンズ・ギャラリーにて開催されているレオナルド・ダ・ヴィンチの手になる解剖図展に向う。 セント・ジェイムズズ・パークの駅で降り、出口はどちらから?と表示に目を留めた瞬間、「どちらに行きたいのですか?」と英国紳士。…

LONDON三日目午前の部

爽やかな朝、変わらぬ景色、川のある風景を駅前まで歩いてPAULで朝食。カフェ・オレにクロワッサン、アーモンド・クロワッサン。 ディストリクト・ラインでブラック・フライアーズまで行きテート・モダーンへ。この駅から行くのは初めてなので娘と二人、地図…

LONDON 二日目

案の定、変な時刻に目覚めてしまい夜を飛ぶ飛行機が鳴り止まないのでベッドから起き出して窓から外を覗く。向いの建物もホテルだろうか、ひと気のないレストランに居並ぶ白いテーブルクロスと椅子が厳かに照らされている。古風な街の丘の上を横切る飛行機は…

LONDON 一日目

娘と二人旅。 夕刻にヒースローに到着してタクシーのほうが楽だが窓口に並びオイスターカード二枚を購入する。地下鉄ピカデリー・ラインからディストリクト・ラインに乗り換えて懐かしいリッチモンドの駅に着くとまだ明るい。旅のお宿はヒルの上のリッチモン…

京都旅--またいつか

気に入りの場処にはまた行きたい、何度でも。 蝉の声が優しい、晴れるだろうか。身支度を整えて最終日、荷物も纏め直ぐに出掛けられるように、朝食をゆっくりとってからホテル隣の三十三間堂へ一番乗り。懐かしい薫り漂う堂内にお経の声が響く。ずらり居並ぶ…

京都旅--雨雨雨の枯山水と水の波紋

二日目は車で移動。相國寺からスタート。陽山紅、白君子蓮、仏座蓮...池に咲く蓮の花の大きいこと、近づいて見ることはかなわないが人の顔ほどもある見事な白の花びら、紅色の花びら。はやくも日光が眩しい、蜩の声もやさしく夏を告げている。金閣寺や銀閣寺…

夏の京都--極相の森から水の聖地へ

はじめての京都夫婦旅。 叡電に乗って鞍馬山から貴船へ至る小登山コース。に備えホテルでぺたんこのサンダルに履き替える。美味なる鯖寿司をいただき、出町ふたばで豆餅を包んでもらい単線で北の方角へ。峻険なる山の隙間に切り込んで行く鉄道、緑に狭く包ま…

ふたりのゆり

野中ユリの作品集が欲しいが高価で手が出ない。そこで手に入れた一冊は野中ユリの銅版画が挟み込まれた『ことばの食卓』武田百合子。 鉛がかった青いクロスに置かれた静物のノスタルジイ。遠い日の夏の入道雲の匂い。そして武田百合子の硝子玉のような視線が…

氷室の山の 薄氷を  砕くな砕くな 解かすな解かすな

梅雨の晴れ間の夏空、酷暑まであとどれくらいだろう。 月に一度の能楽堂の中庭は季節をそのまま見せてくれる。苔は瑞々しくもみぢは青青として、背の高い合歓木はふさふさと葉を揺らし朱赤の軽やかな花も揺れている。秋の萩の丸い葉も健やか。 狂言は『金藤…

『夕顔』

月に一度の国立能楽堂。 開演前に展示室能楽入門展>の能面・装束の展示に立ち寄る。色とりどりの、贅を凝らした装束の草木からとられた絹糸の光沢、配色の妙、刺繍の繊細、意匠の様々は眼福の時。写真撮影は禁止だが装束の銘の色や形の文字の羅列もまた愉し…

美神通過/2012/06/06

Venus at the Edge 〔Image Credit: JAXA, NASA, Lockheed Martin 〕 金星の太陽面通過。金環日蝕は直接観測はかないませんでしたので科学雑誌Newton付録の日食メガネも準備していたのですが...あいにくの空模様。 仕方なく、といいますか便利なことにUstrea…

ほんとうの色

日本の色名が好き。その色の本当らしさとその名前の本当らしさの距離が好きだと云ったらいいだろうか。そのものずばり、という色名もあれば、抽象的な色名、詩的な色名もある。自然由来の染料との関わりはそれぞれの染料の科学的側面との厳しい関係でもある…

The Ring

金環日蝕の本日。太陽を見るためのメガネも用意していないし晴れたらどうしましょう、厚紙にピンホールをあけるかそれとも木漏れ日にて... ほど良く曇天で諦めもつこうというもの。youtubeでライブ配信されている画像で刻一刻と蝕されてゆく太陽の形をお弁当…

ある晴れた/五月/薔薇/園

五月、今年も薔薇が咲きました。 <薔薇の投函箱> <真紅のスタンダード仕立て> <あの色やこの色、> <弧を描く敷石を踏んで> <閉じた門の向う、途切れた路> <帰り道> 薔薇は五分咲き…つんと澄ました蕾、蕾、蕾。 善男善女老若男女仔犬小鳥恋人たち…