秋//薔薇花壇

秋晴れ、庭園に行かなければ...
新宿御苑

青い空に飛行機が白い斜線を引いていく。芝生はふかふか...敷物も持参すればよかった。布のサブバッグを敷いて本日の一冊ピーター・アトキンス『元素の王国』は元素表をサバンナ、谷、渓谷、平原、丘陵、山脈を成す景観として類推の王国を旅していくという趣向。

たとえば硫黄――過去と地獄を象徴する元素――の、見慣れた鮮やかな黄色の一画がある。その隣のセレンは金属的なグレーからルビーの真紅にまで季節とともに変化する。――われわれは一定の元素の多様なかたち(実際は同位体と呼ばれる)――ここでは寓意的に季節と呼ぶ。

葉緑素の中核には「目」のようにマグネシウム原子が一個ある。葉緑素はそのマグネシウムの目を太陽のほうに向け、日光のエネルギーをとらえる。この元素がなければ、葉緑素の目は見えなくなり、光合成は起こらず、われわれが知っているような生命は存在しないだろう。

元素の王国 (サイエンス・マスターズ)

元素の王国 (サイエンス・マスターズ)

見渡す限りの緑、ぎっしり詰まった「目」が太陽のほうを向いている。

色とりどりの秋の落し物。
薔薇花壇の前の芝生は広く極上のふかふか、もったいないので暫く座って風に運ばれた落し物を観察、金茶に色づいた小さな葉のつけ根にひとつずつ小さな袋をつけたもの、袋には小さな種が幾つ入っているのでしょう。自然がつくった色も形も美しい。

遠目に見えた薔薇花壇は四角く縁取った額縁を薔薇で飾り、丁寧に柘植で四角く囲んだ意匠。

イングリッシュ・ローズの甘い色

紅薔薇

白薔薇

Romeo...
黒く紅く固く結んだ蕾が素敵

薔薇の額縁で縁取られた中の四角には円盤に仕立てた柘植で囲んだ高さのある植物。二つ並ぶ額縁の両側をプラタナスが整然と並ぶフランス式庭園
嗚呼...庭は素晴らしい。

一日の太陽が摩天楼の側面を照らしながら西に沈んでいく。
クライスラービル、(見たことないけど)...

落ち葉を踏んで、そろそろ帰りましょう。