LONDON三日目午前の部

爽やかな朝、変わらぬ景色、川のある風景を駅前まで歩いてPAULで朝食。カフェ・オレにクロワッサン、アーモンド・クロワッサン。
ディストリクト・ラインでブラック・フライアーズまで行きテート・モダーンへ。この駅から行くのは初めてなので娘と二人、地図と地上を見比べる。ミレニアム・ブリッジの下を流れるテムズの川幅は堂々としている。渡るとダミアン・ハーストの巨大な人体模型。

特別展Damien Hirstのチケットをチケット・オフィスで購入し会場へ。娘くらいの学生風情の客で賑わっている。
透明な巨大ケースの中に置かれた牛の頭部、赤黒い液体が流れ、虫(蠅)が飛んでいる。隣には一辺が1mほどの孔の開いた箱。牛の頭部のある空間と箱のある空間は孔のある透明な板で仕切られている。生は死を摂取しながら生を生み、死は生に与えながら死に至る。
ファーマシー、薬の空箱と薬壜が処方された個人別に薬局の戸棚に収納され、並べて展示された作品。薬は病歴や病巣を説明するのだろう。
蝶の飛び交う部屋は暖房され、鉢植えには幼虫、テーブルには煙草の灰皿。絵の具の塗られたパネルに固定された蝶。
生と死の対比が常にあり、生と死は共にあり、死に向うベクトルと生に向うベクトルは共存し、生は死に至るが生は生を生むだろう。
色鮮やかな蝶を規則的に配置してステンドグラス様に仕立てた作品。生の色を留め置く手法は美しいが、これらの蝶は自然に還元されず美の犠牲に供されたものだ。
最後の部屋は白い鳩の飛翔の固定。白い鳩、精霊は何を伝えようとするだろう?