夏の雨

雨音が耳に心地よい朝です。
今年の梅雨は雨量が十分ではなかったのでしょう。紫陽花は青くならずに緑になってしまいました。梅雨入り前にほの白い花を咲かせ、雨が降り注ぐのを待っていたのでしたが
しかし、かといって緑の紫陽花はそれをかなしむでもなく、いたって自然に見えます。自然に溶け込んでいます。この旺盛な花はまた来年が来るのを知っているのでしょう。今年はこんな色、と平然としているようです。
紫陽花のあの瑞々しい青の色、あるいは紫の色を得るには十分な水分が必要なことを知るようです。西洋の紫陽花は総じてくすんだ茶を帯びたピンク、オレンジ、まるでドライフラワーのような花色で、あのような花の色もまた素敵なのですが
ここでふと思い出すのは薔薇の花は青の色を拒むというようなことで。長年の研究にもかかわらず薔薇は決して青く咲かず、たとえ咲いたとしても種をのこすことはない、ということを記憶しているのですが・・
日本では薔薇の栽培は難しいとされている(虫や病気がつきやすい)のも単純に日本の風土の高温多湿、水分過多によるものと思われるわけですが、西洋ではごくあたりまえに、薔薇は咲き、いつまでも咲き、真冬まで咲き残ることもあるようでした。しかし高温に見舞われたある年の薔薇園は「ごめんなさい。今はとても私の姿を見せるわけにはいきません」という看板を掲げていました。
思えば日本には青く美しく咲く花が多いように思います。四季折々の