読書のユートピア

『読書のユートピア』(清水徹 著)を読み始めました。届いてすぐ、少しがっかりしてしまって書棚にしまってあったのですが、読み始めてみるとそこは清水氏のこと、とても楽しみな感じになってきました。
ただしどのような方向に論が進むのかさっぱりわからない、という意味で。
ヴァレリーラルボーの『罰せられざる悪徳・読書』を下敷きに、理想的読者が経験するであろう状態《読書のユートピア》という境地についての・・

読書をいわば一種の快楽原則に支えられた「悪徳」だと見るまなざしは、じつは文学にひそむ奇怪な構造--文学の社会的効用という種類のものではなく、文学それ自体にひそむもの--にまで至るのではないか。


さて、今現在わたしにとっての読書は「悪徳」などという恐いものでは決してないはずですが、この1冊の書物を読み終える頃、いったい何処に運ばれていることでしょう。