萬葉集

  中皇命往干紀温泉之御歌

君之よ母 吾代毛所知 磐代乃 岡之草根乎 去来結手名
きみがよも わがよもしるや いわしろの おかのくさねを いざ結びてな
(巻第一 雑歌 十)

吾勢子波 借蘆作良須 草無者 小松下乃 草乎刈核
わがせこは かりいほつくらす かやなくは こまつがしもの かやをからさね
(巻第一 雑歌 十一)

吾欲之 野嶋波見世追 底深伎 阿胡根能浦乃 珠曽不拾
わがほりし のしまはしせつ そこふかき あごねのうらの たまそひりはぬ
(巻第一 雑歌 十二)
右検山上憶良大夫類聚歌林曰 天皇御製歌