桜さくら

とうとう桜が咲いて、季節は巡り。
お天気も最高でしたのでまだ春休み中の娘とふたり皇居周辺の桜を愛でにいってまいりました。昨年もふたりで出掛けたのを思い出しながら、お抹茶色のお濠の上に降りかかる遠方の枝は霞がかったように朧に濃淡を見せて。北の丸公園では老若男女が思い思いに春の時間を愉しんでいました。お濠沿いは陽当たりが良いのか見頃となっておりましたが、芝生の公園のあたりは咲き具合はまだまだ。まだまだ愉しめそうです。
腰をおろしてひとしきりお喋りをしたり本のページを捲ったりしたあと、ぐるりを廻ってみましょうと移動。若い恋人達や老夫婦が仲良く散策を愉しんでいます。昨年はぐるりを半蔵門の方向にとったので今回は逆回りに、枝垂桜は見事に咲いて、赤みの強い桜色の花弁、蕾の姿は紡錘形に零れて。次第に桜から遠ざかってしまう。古書街のほうに向かおうかとも思ったけれどやはり花が恋しく竹橋門から入り、こぢんまりとしたスペース発見。辛夷の花、枝ぶりは登り良そうで、「あのマグノリアに似ていない?」枝を地面に届きそうなほど垂らし、その根元に腰を降ろすとまるで花のお家みたい、甘い香りに包まれて。
丸く刈り込まれたBOX、柘植や柊、名前の知らない我が家の庭に植わっていた枝、いまにも綻びそうな蕾や芽をいちいち観察しながら、そろそろ陽は斜めに差し込みはじめたのでお留守番ボーイのことを思い出して。
あしたもきっと咲いている、春。