歌
みみすます古き昔の魂の声はきこえて夢か幻 目にみえぬ葉陰を揺らすざわめきは微動の森も夏を忘れて はるかなるはるかなる日はいつの日か夢か現か寝てか醒めてか 今日は斉明天皇、天豊財重日足姫天皇(あめとよたからいかしひたらしひめのすめらみこと)の面影…
けふもまた軒端の梅の木の間からほの語らひし空ぞ忘れぬどうやら酷似しているようですが、本歌取りということでお赦しを・・
静かなる夕べの闇の色のぞく遠き昔にみたおなじ色 みみすます軒端の梅の梢からとおくのこゑをきくここちして
木をみては森を夢みる夏の午後 ゆくこともかへることさへままならず我は我にて陽は毀れつつ
待たれては まだほの白き大輪の 紫陽花のあお 愁い果つるまで
見渡せば 鳥も木の葉も 僅かなる 微動の森の 日は暮れかけて
五月雨の木立ちの奥の紫陽花よ ぬれにぞぬれて輝けあおく ぬれそぼる梢のなかの我家なら ことばもいらず翼隠して