ちっぽけな砂鉄

夕陽に向かって歩いていた。
眩しさに目を細めたが、太陽はぐんぐん下に落ちていくようだった。
そうだ、こちらが回っているのだと思い返した。
すると、後ろ、バック転の方向に回ろうとするので、そうだ、こちらが廻っているのだと思い返し、太陽をそこに留めた。
すると横向きに立っていた。
そうだ、地球が我々を引っ張っているから横向きでも倒れないのだ。
磁石に引っ張られている砂鉄のように、自分がちっぽけになった。