ラストサマーホリデー

英国では8月の最後の日は休日です。
明日から日常がまたはじまるのです。新学年の始まりでもあり、新しい学校に通い始めるかもしれないし、クラス替えがあるかもしれない。たぶん新しい先生になるのかもしれない。転校生が入ってくるかもしれない。更新の時。もう何年も前、初めて我が子を現地の学校に通わせ始めるあの日にもう一度戻りたくない...
子供が不安な時、母は笑顔でいなければならない。そう知ったのはいつだったか、その日にはまだはっきりとは知らなかったかもしれないけれど。
さすがと思ったのは、英国の先生のプロ意識。大丈夫、大丈夫、と笑顔で受容れてくれる、若く、活力に溢れ、ユーモアに富んだ先生たち。
息子の担任の先生は新学期のその日、飼っている大きなカタツムリを持ってきて、子供たちの手に順番に乗せてくれたのだという。息子はほどなく英語を喋り始めた。
娘のほうは、口から英語がでるまでには時間がかかった。日本人は珍しかったので初日は質問攻めにあったらしいが、夏休みに通った現地の英会話学校の成果でそこは何とか切り抜けたが、授業中の発音の速さにはしばらく耐えなければならなかった。数ヶ月たったある日、突然きこえてきたらしい。その時の安堵...娘の場合、読み、書きが先で、話すは最後にきたのでした。

9月に入ると、英国の季節は急ピッチで冬へと向かいます。日本の丸い四季と違い、英国の季節は楕円形をしている、と認識しています。もちろん時間も楕円形をしています。夏時間を採用するのも夏の時間を有効利用するための仕掛けで、それがなければ冬の暗さを耐え抜くことは難しいでしょう。(クリスマスという仕掛けももちろん、あります。)春分秋分の頃にハーフタームという1週間程度の休みが入り、決められた時に冬時間、夏時間の切り替えをする仕組みですが、その時には地球という時計をかちゃりと回すような感覚を覚えるものです。