不確定性原理

量子力学によれば、宇宙は厳格で精密な数学的形式にしたがって発展するのだが、この枠組では、ある特定の未来が実現する確率しか決まらない。どの未来が実現するかは決まらないのだ。

何がもっともで何がもっともでないかは、自然にきめさせなければならない。
<[量子力学は]常識の観点から見れば不条理なものとして自然を描く。それでいて、実験とまったく一致する。だから願わくは、みなさんがありのままの、不条理な自然を受けいれることができますように>ファインマン

量子力学一般相対性理論を組み合わせるのは火と火薬をいっしょにするようなもので、たちまち破局が訪れる。多くの場合、何らかの過程の量子力学的確率が20パーセントでも73パーセントでも91パーセントでもなく無限大になるという無意味な予測が導かれるのである。
1より大きい確率、まして無限大の確率とは、いったい何を意味するのか。何か深刻な問題があると結論せざるをえない。

                              『エレガントな宇宙』より