湖へ

春の桜、夏の遊覧船、小石まじりの黒っぽい砂浜、錆びれかけた遊園地、ぐるりを取り囲むむせるような緑、スキー場から望む浮かぶ湖面。
擂鉢型のカルデラ湖。龍と成った美しい乙女の伝説。強酸の川の水の流入により、生き物は姿を消したという。その川の色、瀧の流れは秋の紅葉と怖ろしい対照をみせる。
色褪せた絵葉書にも似た断片からなる記憶。迷子になった3歳の想い出も。

迷子になった、いなくなったと母はいろを変えて探したらしいのですが、当の本人は別のお座敷でお菓子などをいただいて大人しく座っていたのでした。