薔薇の季節

そろそろ、薔薇が咲くのではないか、とそわそわし始めるころでは、と思って。英国の薔薇のこと。
どこのが一番か?ときめつけることなどできなくて、あそこのも、また、あそこのも、と、記憶のなかのローズ・ガーデンを彷徨うばかりなのですが。
何故そんなに綺麗なのかというと、薔薇だけが綺麗なのではなく、薔薇をとりまく全てが、ふさわしく整えられているから。そのためにはまず、広大な敷地が必要。というと、なあんだ、お金持ちのためだけじゃない。とふてくされる必要はない。
市民に開かれた庭園、みんなの、みんなのための、秘密の庭園がたくさん開かれているのです。
まず思い浮かぶのは広大なハイド・パークの一角の、クイーン・メアリーズ・ガーデンズ。思い思いに楽しめるカジュアルかつ広大なハイド・パークの一角にあるここに足を踏み入れると、なんとなくクラシカルな雰囲気が漂います。丸く閉じられた、こじんまりとした大きさが、そこの時間をゆっくりとさせているようです。もう既にピンクの、黄の、白の、赤の薔薇が咲き誇っていたら、スペースを見つけてそっと腰をおろします。薔薇の花色は様々なのに優しい印象なのは背景がすべて緑だから。余程手入れが行き届いているのでしょう。花がゆったりと、優しく、落ち着いた風情を見せています。そこで本を手にとり、読んだり、花を眺めるのもよし、ただ風を、陽射しを、薔薇を感じるのもよし、時がゆるすまで。
子供連れならもう少しだけ歩を進めれば、池があり、そこには数々の生き物が私たちの目を楽しませてくれます。黒鳥の羽のフリル、カモのつがい、名もしらぬ鳥の様々の、それぞれの個性を観察することができます。一度、黒い鳥の雛が水浴びする可愛い姿を見たことがあります。まだ飛べそうもない小さな翼を水に濡らし、細い脚を踏ん張って、紅い嘴を見せて、水しぶきをあげていました。
キュー・ガーデン。全ての季節が楽しい。藤棚も見事。
http://www.kew.org/
ハンプトン・コート・パレス。歴代の王、とりわけヘンリー8世ゆかりのこちらは庭園も、宮殿も、メイズも、お楽しみ多々。(幽霊ツアーなども)
http://www.hrp.org.uk/hamptoncourtpalace/
ナショナル・トラスト。ご存知の方も多いこの組織は、英国全土の歴史的建造物や庭園、貴族の館、文人の住んでいた家など、様々なところを網羅しているので、休みごとにあちらへ、こちらへと運ぶ案内役を果たしてくれていました。
薔薇が素敵だったところもいくつもありますが、印象深いのは・・何でしたっけ?思い出せない(笑)で、資料を持ち出しました。というか、見つからない。(汗)
http://www.nationaltrust.org.uk/main/
綺麗な黒チューリップが咲いているようです!
とにかく、サンドウィッチとか、ドリンクなどバスケットに詰めて、ブランケット(敷物)も車のトランクに入れて、そこに至る。お気に入りの場所でピクニック。午後は長いのだから、急ぐ必要はありません。クローケーしたり、メイズ(迷路)に迷い込んだり。
渋滞とは無縁だったような。逆走して肝を冷やした経験はありますが。(運転しているのは私ではありません)