瞑想のとき

ピエロ・デッラ・フランチェスカは5本の指に入る大好きな画家
小雨降る日、観光客の姿もないアレッツォの街は静かだった。ピエロのフレスコ画《聖十字架伝説》を観るには丁度良い。予約の時刻に訪れると、他には1組のみ。音声ガイドを各自受け取り、こころゆくまま上を見上げる。「シバの女王とソロモン王の会見」の場面は厳かななかにも華がある。シバの女王はひざまずく、後ろに控える女官の衣の白の豊かなこと。

そして見るたびに驚いてしまう場面はこちら

コンスタンティヌスの夢」
眠り、夢はここに描かれた。丸い天蓋を照らす光。コンスタンティヌスは全き眠りの中。傍らに座る若者の瞳はこちらを見据える、こちらを。瞑想の表情で。このまなざしは時空を越える瞑想だろうか?啓示の瞬間。白い翼の神の手の。

!今気がつきました。天蓋のなかの空間が、柱の左は黒く、右は明るく塗り分けられています。どういうことでしょう。アンリ・フォションの「ピエロ・デッラ・フランチェスカ」には言及はないようです。画集のほうはイタリア語で読めず...

そして、眠りといえばこちら

《キリスト復活》サンセポルクロ市立美術館
この兵士たちの眠りも全きもので、キリストは墓石に足をかけ、こちらを見据える。これは兵士たちの見た夢なのだろうか。それとも