おかしな箱のなか「砂の標本2011」

お菓子の箱の中のおかしな物体...
さあ、何でしょう?
昨年の初夏、人気のまばら(誰もいない)な海で拾ったその名もスカシカシパン
真夏の海、はどちらかというと苦手です。何より暑く、何より人がとにかく多く、水着に着替えたり日焼け止めを塗ったり、ゴーグルはどこだだとか、砂が熱くて火傷しそう。
夏の海も良いですが、人気のない海辺を行くのは好き。眩しく光る青い液体、見れば見るほど重たく寄せては返す浪の音、泡立つ白波、時を忘れて...
空っぽになって波打ち際に打ち寄せられた貝殻の、自然の形づくるフィボナッチ。
「これ、〇〇ちゃんのお土産にしよう。」
「じゃあそれ、〇〇君に。」
「それはつぶれた野球ボールでしょう。」
ひょいと足で引っ繰り返した。見覚えのある模様、たしか図鑑に載っていた、カシパン?
そろそろ移動しましょうか。ねえ、それ、あなたのバッグに入れて持って帰って。だめだよこれは仕事に持ってく鞄だから。ひょいと放り投げたその先にはお気に入りのタッセル付きバッグが口を開けていたのでした。
「(悲鳴)!」