野鳥の王国

西向きの窓の外、飾らない枝ぶりの白梅は八分咲き、雨の止んだ梢に群れ遊ぶメジロ。枝から枝に舞い飛んでしなやかにからだを曲げては甘いのか酸っぱいのか苦いのか蜜の味をたしかめて、よほど美味しいのか枝を震わせ花の重みで揺れる景色。金属質の声で鳴く白黒のシジュウカラ、珍しく独りで訪れるヒヨドリ、気紛れに鳴く山鳩、茶色のお腹のジョウビタキ、競い飛ぶオナガのみせる青い羽、まだ名も知らぬ鳥。
曇天の下の黒ずんでみえる花の色はなぜか甘い。
小さな、鳥の楽園。