これは小説ではない、STUDIOだ

思索の部屋の実況中継。これは文字で書かれたものだろうか?呟きを録音して文字に起したものだろうか?ソレルス氏の思索はどちらで行われるのか?いづれにしても彼は音(母音)にこだわるらしい。(翻訳は可能か)
ある意味、ツイッター文学的な独り語り、呟きそのものともいえる。
ランボーとの、ヘルダーリンとの独白による対話。ランボーの母の、妹の手紙は何を裏付けるのか。
1997年に書かれたものだが2009年に翻訳されるのでは随分遅れた実況中継ということになってしまう。諜報員(何ヶ国語をも操る人)には全体が見える。世界が。
キリストのみだって?まさか!キリストの復活、繰り返し...
それはやはり、いつまでも言い辛いことらしく、それで小説(FICTION)だというのだが。ほんとうに言いたいことを紛れ込ませるための...切実な呻きにも聞こえる呟き、詩を忘れてはいない。

ステュディオ (フィクションの楽しみ)

ステュディオ (フィクションの楽しみ)